うらがきろく

uragakiの記録・メモブログ

IIJmio meeting 第20回目に参加しました。 #iijmio

ついに、IIJmio meetingも20回目を迎えました。
前回の19回目の時には「20回目は特に何も考えてないので普通にやると思います(笑)」と堂前さんが言っていましたが、色々と濃い内容となりました。

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入り口に置いてあるでっかいSIMカードが新しくなっていました。
#東京と大阪を行ったり来たりしていて、だいぶガタが来ていたので新しくしたとのこと。

※各発言は一部まとめて編集しています。
 ニュアンスが変わらないように注意はしておりますが、何かありましたらコメント欄で構いませんのでご連絡をお願いいたします。
※「#」は私のツッコミ、補足です。

資料はIIJ様の公開資料を引用させていただいております。

techlog.iij.ad.jp

 

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今回のお土産はフルMVNOSIMカード(フルMVNO版Japan Travel SIMと同等のもの)。
パスポート番号の登録が必要ですが、SIMを挿すだけでも「IIJ」という表示が出るとのこと。
堂前さん曰く「データはおまけで、IIJという表記を見てニヤニヤしてください(笑)」とのことでした。

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他のお土産は、ベビースターラーメンとラ王、シャープのAQUOSロゴボールペン。
ベビースターラーメンの方にはIIJmioのロゴ入りでしたが、ラ王はそのまんま。
堂前さん曰く「ラ王には特に意味はありません(笑)」とのこと。
#他のイベントでラ王を配布したそうですが、その在庫余りがあったため、堂前さんが引き受けたものの、大阪会場で箱を初めて開けて特にロゴが入っていないことに気付いたそうです。

#SIMつきカップラーメンとかどうでしょうか。3分待つ間に開通完了!とか。

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プレゼントには「IIJmio meeting」とキャリア名表示を職人が書き換えたものがありました。大阪会場で4枚、東京会場で6枚の限定品。
#ただし30日限定で、それ以降は表示できなくなるとのこと。

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今回の展示コーナー。今までのIIJmioのチラシとパッケージが飾ってありました。

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左上からAmazon版、コストコ版、痛SIMパッケージ版。

痛SIMパッケージ版はコミケ会場限定でした。

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丸いパッケージ、懐かしいです。

展示コーナー出展メーカーはhtc、HUAWEISHARPの3社と、Surface Pro LTE AdvancedのeSIMデモ。
eSIMデモは人が多くゆっくり見られず断念。

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シャープのAQUOS sense plus SH-M07。

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カメラ部分もほんのちょっと飛び出していますが、ケースをつければ気にならないレベル。

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ファーウェイのP20。カメラ性能は安定してきれいで、持ちやすい端末でした。

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htc U12+。IIJmio meetingの時はIIJmioでの発売時期未定となっていましたが、先日発表されました。

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ちょっとお値段は高めですが、このスペックだとフルに使いこなせば元は取れそうです。

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カタログを折ると鶴になり、その鶴の写真をアップすると動物愛護団体に寄付をするキャンペーンもやっていました。

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 司会はいつも通り、堂前さん。

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20回記念ということで、IIJ MVNO事業部長の矢吹さんよりご挨拶がありました。
「実は4回目くらいの参加となりますが、以前はスタッフもボランティアという形で、懇親会の領収書も後で処理するようなことをやっていましたが、今はちゃんと休日出勤扱いで経費も会社からきちんと出していますのでご安心ください。(笑)
皆さんと近い距離で、これからもIIJmioを育てていきたいと考えています。今日はどうぞよろしくお願いいたします。」
#20回目で初めて知った事実。今はきちんとした体制になっているようです。
#コミケ出展の時は休日出勤扱いだったんでしょうか?(趣味の範疇としてボランティア扱い?)

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1.IIJmio Updates 2018/04~2018/06 (堂前さん)

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ビックカメラグループでIIJmio(BIC SIM)を契約する場合、今までは店頭で申し込み、店頭で受け取る方法が主流でしたが、受け取りまでにどうしても待ち時間が発生してしまうというネックがありました。
店舗限定ではありますが、ネットで先に申し込みを行い、店頭で受け取る方法ができるようになり時間短縮ができるようになったとのことです。

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BIC SIMは基本的にIIJmioと同等ですが、ビックカメラグループオリジナル特典として公衆Wi-Fiサービスが付いてきます。
今まではWi2 300という名称でしたが、7月から「ギガぞう」という名称で提供されるようになりました。
※提供元は継続してワイヤ・アンド・ワイヤレス
#アクセスポイントとしてはフリープランだとあまり無いのがネックですかね…。

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新規取扱端末の紹介。
AQUOS sense plus SH-M07。
AQUOS sense lite SH-M05はWi-Fi5GHz帯非対応とちょっと惜しい感じがしていましたが、SH-M07はWi-Fi5GHz帯、防水防塵Felica対応とコスパのよい端末になりました。

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ASUSからはZenFone 5シリーズ3機種。
フラッグシップモデルの5Z、ミドルハイスペックモデルの5、ミドルスペックの5Q。

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Motoloraからも3機種。
個人的に気になったのはコストパフォーマンスの良いMoto E5。
重いゲームとかをプレイしないのであれば、十分使える1万円台端末。
サブ端末として使うのもあり、と思いました。
#最近は端末価格も徐々に上がってきて、お手頃価格なものがなかなか無いですよね…。

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HuaweiはP20とP20 lite。
P20 Proはドコモ専売のためMVNO各社での取扱いはありませんが、P20もFelica機能やメモリの差を考慮しても悪くない端末とのことです。

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ここ最近、災害が多いため、緊急速報(ETWS)のおさらい。
地震津波に関しては基本的にどの端末も受信できるようにはなってきていますが、自治体防災情報やJアラートに関しては、Android端末の場合は端末個体差があります。
iPhoneは原則、どの速報に対しても対応しています。

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Android8.0以降だと受信できることがほとんどのようですが、7.1.2で出荷され、後日アップデートの形でAndroid8.0に対応する端末もあるようです。
※上記の表はあくまで出荷段階のAndroidバージョンであり、ETWSの受信可否を確認したものではないので注意。

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eSIM関連の話。
7月12日にSurface Pro LTE AdvancedでeSIMの動作確認を実施。
Wi-Fi経由でeSIMのプロファイルを追加・書き換えができるようになったとのこと。

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eSIMの書き換えはどの事業者でもできるわけではなく、HLR/HSSを保持するキャリアもしくはフルMVNO事業者のみ対応可能。

じゃあ、Apple製品もeSIMだから対応できますよね…?という質問に対して、

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いつもの、その1。

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いつもの、その2。

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なぜApple製品は対応できないかというと、AppleのeSIM書き換え方法が非公開という点。
#取扱い数の多いキャリアでないと全く対応できない…?

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Surfaceの場合はGSMAの定義する標準規格に対応しているため、今回の動作確認ができたようですが、実際に提供されるようになるのはまだまだ先の話のようです。

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2.インターネットと通信の秘密(堂前さん)

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今回は「通信の秘密」に関して、通信事業者がどのような考えを持って運用しているか、といったところに着目したセッションでした。

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通信の秘密に「検閲の禁止」がよく挙げられますが、実は憲法で定められています。
そして電気通信事業法でも「検閲の禁止」は定められており、罰則も定められています。

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通信の秘密はインターネットだけでなく、郵便や電話も含まれます。
また、人同士とのやりとりだけでなく、サーバ等機器類の通信も含まれます。

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通信の秘密の侵害には
・知得
・漏洩
・窃用
といった3つがあるとのこと。

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DNSの動作について。
# D:誰か、N:何か、S:知ってる? の略で、
Domain Name Systemの略で、ドメイン問い合わせに対してIPアドレスの返答を行います。
通常であればDNSのおかげでサイトにアクセスできるようになります。
#普段は意識しないけど、ネットを支えてる縁の下の力持ち。DNSがコケるとネットが使い物になりません。

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DNSブロッキングは、ドメイン問い合わせに対して返答を行わない(=該当ドメインは存在しないとみなす)か、別のIPアドレスを返答し「このサイトは著作権侵害サイトのためブロッキングされています」みたいな表示をさせるサイトに誘導する形をとると思われます。

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しかし、DNSブロッキングは通信の秘密を侵害する形となります。
DNSが通信先を知得し、ブロッキングへの窃用といった行為が行われるからです。

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しかし、通常のサイトアクセスでもDNSを利用しているので、通信先の知得自体は行われています。
実は対して違わないのでは…?と思ってしまいそうですが、異なる点があります。

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DNSブロッキングの誤解1。
アクセス先を全て判断する必要があり、窃用に当てはまるので通信の秘密を侵害する行為に該当。

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DNSブロッキングの誤解2。
児童ポルノサイトブロッキング海賊版サイトブロッキングは、権利侵害に対する保護対象が異なるのできちんと議論をする必要がある。
#拡大解釈で適用、というどんぶり勘定では何に対しても適用されてしまう恐れがある。

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通信の秘密を侵害と違法性阻却事由。
通信の秘密を侵害する行為でも、「顧客の同意・要請があった場合」と「違法性阻却事由」に該当する場合は違法になりません。

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違法性阻却事由について。
違法でない場合は犯罪を犯したと見做さない、といった意味。

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正当業務行為の分かりやすい例は、医師が行う手術。
メスなどを使って他人の体を傷つけるので傷害罪が適用される…と手術ができません。
代替手段がなく、必要最低限な範囲であれば正当業務行為とみなされ傷害罪は適用されません。

DNSサーバの動作も、IPアドレス問い合わせに対して必須の行為であり、必要最低限の範囲であれば正当業務行為に該当するため違法にはなりません。

 

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データのルーティングや、通信トラフィックの調査・分析・収集と言った行為も正当業務行為に該当します。

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DoS攻撃に対するフィルタリングは正当防衛行為に該当します。
#放置しておくとサーバがダウンしてしまい、運用に支障が出るため。

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ただし、違法性阻却事由に該当するかどうかの最終判断は裁判所が行います。
なので、裁判所が該当しないと判断すれば違法行為になります。
電気通信事業者の業界団体はガイドラインを作り、見解を整理しています。

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ガイドラインは業界団体だけでなく、総務省法曹界、消費者団体を含めてとりまとめ、各事業者協議会・連盟と協議会を行いガイドラインを制定しています。

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あくまでもガイドラインであり、裁判所の判断ではありませんが、偏った意見とならないように幅広い分野で議論を行い、訴訟になった場合でも「違法」と判断されないよう、最善の努力を行っているとのことです。

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児童ポルノサイトブロッキングについて。
児童ポルノサイトブロッキングは裁判所の司法判断はなく、各通信事業者が独自に取り組んでいるものであり、違法性を問われるリスクがありますが、

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実施までに様々な団体から意見を取りまとめて実施されています。

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海賊版サイトブロッキングについては、政府から「緊急避難に該当すれば違法ではない」という説明がされていますが、法律をそのまま説明しているだけであり、違法かどうかの最終判断は裁判所が決定します。

あくまで政府の見解であり、裁判所が下した判断ではないという点に注意が必要です。

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海賊版サイトブロッキングに関しては、議論もなく話が進んでしまったのが4月。
NTTグループ海賊版サイトブロッキング表明をしたのも4月下旬)

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6月に入り検討会議がやっと開催されることになりました。
この検討会議では様々な立場の有識者が参加し、議論が行われています。

#最終結論が出るまでは時間がかかりそうですが、きちんとした議論を行っていただき、守られるべき権利をしっかり守れるようなガイドライン作りに取り組んでいただきたいと思います。

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通信の秘密の侵害と顧客の同意について。

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迷惑メールフィルタリングやゼロレーティングに対しては、明らかに通信の中身を見て判断しているため、実施するには顧客の同意・要請が必要となります。

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同意の方法は2つあり、「包括的な同意」と「個別明確な同意」があります。
包括的な同意は約款が書かれていて最後にチェックボックスを付けるようなパターン、個別明確な同意は携帯ショップや保険加入時に1行ずつ説明されるパターン。
本来ならば個別明確な同意が重要かもしれませんが、合理化といった点を考えると同意の求め方は変わってくると考えられます。

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通信の最適化について。
トラフィック量の制御、パケットサイズ調整、データ圧縮など、多くの技術が含まれています。
これらをすべて行って「通信の最適化」と呼んでいるか、一部の技術のみを使用して「通信の最適化」を行っているかというのは事業者によって異なります。
#「通信の最適化」の基準がどこからなのか、というのも実は曖昧な状態です。

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通信の最適化に近い行為としては、「○日間で○GB以上通信を行った場合、速度制限・帯域制御を実施」というものもあります。
帯域制御ガイドラインもありますが、最終改訂が2012年3月とかなり古いものです。
#2012年3月時点では、モバイルデータ通信ではドコモのみLTE(当時ブランド名は「Xi」)を提供している時期にあたります。

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まとめ。
通信の秘密の侵害が即時に違法になるわけではなく、違法性阻却事由に該当しないか検討する必要がある。
正当業務行為に該当しない場合は顧客への説明および合意が必要。
違法性阻却事由や正当業務行為も、社会の認識は変わっていくものであるが、これまでの積み重ねてきたものを含めて議論を進めないといけない。
また、特定業界・団体の結論ありきで話を進めては駄目で、多くの立場の方が参加して議論を進めていくことが重要では、とのことでした。

#通信事業者として守らなければならない義務があることを知ることができて、とても良かったです。

#DNSの仕組みは違法性阻却事由が絡んでくること、普通に考えるとそうですが今まで考えたことがなかったので勉強になりました。

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3.ITmedia Mobile Presents:ジャーナリストが本音で語る、MVNOここだけの話
ITmedia Mobile田中編集長、石川温さん、石野純也さん、太田百合子さん、IIJ佐々木さん)

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www.itmedia.co.jp

(1)サブブランド優遇について
サブブランドが優遇されている、というのはぶっちゃけ優遇されているとは思いますし、避けて通れないのかなあと思います。(石川さん)

UQ mobileの通信速度が早いのは、iPhoneAndroid共にWiMAX2+に対応し、auにWiMAX2+回線を貸し出している状態であることから、その分auから収入を得てMVNO事業につぎ込んでいるのではと考えています。それを使ってはいけないルールはないですし、今回の有識者会議ではMVNO側の攻め方がワイモバイルとUQ mobileに狙い撃ちしすぎていて、ちょっと下手だったのではないかなとは思いました。
ミルク補給という話もどこまでいったらダメかという切り分け方が難しい気がします。楽天も(本業で稼いだ分を)楽天モバイルにつぎ込むのはダメなのかな、という話かなと思っています。
法やガイドラインで整理するのも難しいのではと考えています。
キャリア側からとすると解約日割りがフィーチャーされたくらいで、今回の会議はあまり痛手ではなかったのかなあとも思います。(石野さん)

サブブランド自体はユーザー目線で見ると、安く使えるのでそこまで深く考えてはいない気がします。
渋谷で女子高生に対して格安スマホについてインタビューしてみましたが、7割位が「ワイモバイル」と答えていました。
CMをバンバン流して、一般の人が知るという機会になっている点もあり、必ずしもサブブランドが悪ではないとは思います。
ただ一方で、「ソフトバンクを解約しに行ったら、同じグループであるワイモバイルを勧められた」といった、囲い込みのようなものはフェアでないと考えています。
今回の会議でもMNPはウェブでできるようにという指導があったので、そういった動きは歓迎すべきかなと考えています。(太田さん)

MVNO1社5分で問題提起をするというのはなかなか厳しかったというのはあります。次回はもうちょっと時間を欲しいと思います。
ここ3年位、総務省さんから会議にMVNO委員会として呼ばれていない状況で、個々に問題提起をしても撃破されてしまうので、業界の問題としても取り組んでいきたいと思います。
サブブランドが悪か、というと太田さんの意見に賛成で、正当な競争が出来ていないのであればそこにメスを入れて、ポジティブな議論ができていければいいなと思っています。(佐々木さん)

(3)楽天のキャリア参入について
最初はドコモがローミングの形で回線を貸す前提で原稿を書いていたのですが、まだ交渉のテーブルにはついてないという話でしたし、そこはビジネスベースでということだったので、楽天ローミング料金が高くつくのではと思います。(石川さん)

未だになぜ?というところはあって、楽天の言い分としてはキャリアとして参入したほうが初期コストは掛かるものの、長い目で見れば利幅が増えるとは言っているのですが、そこは思い通りいくのか、心配ではあるのですがどうですか?(田中編集長)

6000億では厳しい、というのは皆が言っていて、ドコモの吉澤社長も「私には無理です」と言っていました。三木谷社長は「世界では4番目のキャリアは強くなっているんだ」と言っていましたが、アメリカの4番目のキャリア(T-Mobile)は合併してなくなりますが…。業界的には楽天は大丈夫なのか、なにか秘策はあるのか気になるところですね。(石川さん)

2月のMWCの時も勝算はあるのか取材したところ、「勝算がなかったらやらないでしょ、バカじゃないんだから」と言われました。ただ、その中身までは教えてくれませんでした。(石野さん)

ローミングしながら、MVNO事業を続けながらというのを考えていたと思うのですが、そこの読みが甘かったのかな、大丈夫なのかなあと思いました。(太田さん)

(4)今後の業界再編の見込みについて
淘汰されていくのは当たり前かな、とも思いますが、ちょっとそういう議論をするのはまだ早いかなと思っています。ISPの時もそうで成長した時もあれば、ちょっと止まったり、そういった波を繰り返して市場が成長していくものだと思いますし、法人向けで働き方改革とかIoTとかまだ伸びる要素はあると思います。業界再編とか議論するのは、個人的にはまだ早いと思っています。(太田さん)

NifMoは家電量販店のノジマグループ、LINEモバイルソフトバンクグループ、BIGLOBEKDDIグループという形になりましたし、メジャーなところの淘汰はひとまず終わったのかなと思います。目立つところは一通りのところに所属して落ち着いているかな、という状態かなと思います。ただ、あまりメディア記事にならないようなところとかはいつの間にか無くなってたりするんじゃないかな、と思っています。(石野さん)

業界再編といった話でいうと、まだそこまで踏み込んで話をするという時期ではなく、まだ未来の多い業界だと思っていますし、業界再編よりも未来を掴んでいくポジティブな考えで戦えるという話をモバイルフォーラムでしてきました。IIJとしてはフルMVNOでIoTにギアを変えていきますし、他社さんも新しい勝ちパターンを広げて多様化していくと思います。なので再編はもうちょっと先の話かなと考えています。(佐々木さん)

(5)MVNOの通信品質について
帯域とユーザーのバランスが崩れると速度が落ちるのは分かりますし、昼のピークだけに合わせて帯域を買うのは難しいというのは理解していますが、納得はできない感じです。Webはサクサク読み込めて、Youtubeの動画が見られればいいな、とは思ってますがそれは難しいですよね。(石野さん)

MVNOにする時の注意点はなんですか?」とかよく聞かれますが、お昼の時間帯を避けて使うとしか言えない状況なので、なにか抜本的な仕組みが必要かと思います。ドコモ吉澤社長は「卸のほうが柔軟なプランが作れるのでは」とも言っているので、今の仕組みじゃないほうがいいのかな、とも思います。(石川さん)

ドコモ吉澤社長に話を聞いた時は、「時間帯でダイナミックに借りる帯域を変えるような話も出てるけど、技術的にかなり難しい」と言っていました。ドコモとしては卸を勧めていましたが、卸の事例だと法人向け・IoT向けだと言われているので、いわゆる格安SIMに適用できるのかな、というのが正直疑問なところです。(石野さん)

接続料というのは日本でここまでMVNOを成長させた功労者だと思っていますので、今すぐ接続料を廃止すべきとは考えていないです。しかし、接続料という制度が身の丈に合わなくなってきたと思うので、身の丈にあった制度に変えていく、というのは検討していきたいと思っています。現状を踏まえて新たな問題の抽出にはチャレンジできたら良いな、と思っています。(佐々木さん)

(6)通信の最適化について
mineoを提供するケイ・オプティコムさんがユーザーに事前告知をせず最適化を行い、話題となりました。取材でも通信の最適化について「一定の効果は出ている」と聞いていますが、どれくらい効果があるか利用者からだと分かりにくいと思います。皆さんどうお考えですか。(田中編集長)

速度低下が著しくなっている状況で気持ちは分からなくもないですが、ファンファーストを掲げておきながらしれっと実施したり、約款に書いてあるからという対応はmineoさんらしくないと感じました。その説明も輻輳のときのみ実施するとのことでしたが、輻輳の定義が緩すぎるのでは、と思いました。ユーザーからの指摘を受けて、その後最適化適用時間帯を変更したりしたのですが、混雑時に実施しているという話と矛盾していてmineoらしくない感じがしました。都度都度対応しているようで、現場のエンジニアはどう考えてやっているのだろう、という疑問はありますね。(石野さん)

(7)MVNOの料金やサービスについて
価格競争もだいぶ落ち着き、データ通信のみ3GB900円、音声つき3GBだと1600円くらいがトレンドとなってきています。差別化としてカウントフリー機能を提供している事業者も増えてきました。他にも、マルチキャリア化が最近増えてきています。
順番に、料金はどうあるべきかというところから聞いていきたいと思います。(田中編集長)

料金プランというのは難しくて、いっぱいあるとユーザーからどれを選べば良いのか分かりづらいものになってしまい、シンプルに絞りすぎると自分の利用形態に合わないものになってしまう。そんな中でも楽天モバイルMVNOでありながら、ワイモバイルを意識した料金プランとなっている。ワイモバイルがいて、それを真似するUQ mobileがいて、その後を追いかける楽天モバイルがいるような感じですね。MVNOトップ3は似たような料金プランになっているので、比較的比較しやすい気はします。
イオンモバイルが小刻みなデータプランを出していますが、あまりやりすぎてもユーザーが付いてこられないものになってしまうと思います。そこら辺が各MVNOの戦略の差なのかな、と思っています。(石川さん)

3GB900円って下げすぎた気もするんですよね。それで帯域増強が出来ず赤字になるというのはユーザーから適切な料金を貰えていないという訳で、値上げしても良いのではとも感じてはいます。ただし、値上げは難しいと思いますし、下げすぎた結果が今に響いているのでは、と思います。(石野さん)

総務省が更に接続料を下げるという話も出していますが、どこかのMVNOが値下げを実施したら他のMVNOも対応して値下げを実施する状況になり、結局黒字化が遠のく。それが続いて撤退という可能性だってある。安すぎることが良いことなのか、結構難しい問題だとは思います。(石川さん)

価格競争自体はユーザーからすると悪いことではないですし、カウントフリー機能などMVNOの特色を活かせるようなサービス提供ができる方向に持っていくのが良いのではないかと思います。価格だけを追い求めるのではなく、大手キャリアと違う方向性を打ち出すのもいいのではと思います。
料金横並びというのも、ユーザーからすると乗り換えても分かりやすいのですが、もうちょっとMVNOの特色が見えると良いかなと思います。(太田さん)

そういう点ではIIJさんはフルMVNO化サービスがありますし、TONEモバイルは子供とシニア向けに特化していて、端末まで作るのはどうかなとも思いますが大きな特徴かと思います。子供向けに制御できるiPhone用SIMも用意していて、方向性としてはうまいなと思っています。(石野さん)

ドコモ吉澤社長の話だと、「サブブランドに一定ユーザー流出しているのは確か」と言っていましたが、一番辛かったのは「MVNOによるキャッシュバック」だと言っていました。昨年8月ぐらいにMVNOがキャッシュバックしたことによって、ドコモからユーザーが流れたという話を聞きました。MVNOも料金競争だけでなく、キャッシュバック競争になるとめんどくさいことになるのでは、と思いますね。(石川さん)

サブブランドL社が他社サブブランドB社に「(あのキャッシュバックは)やりすぎではないか」という似たような話は聞きました。あのキャッシュバックも一括で貰えないような仕組みになっていて、プロバイダでよくあったパターンのやり方ではあるんですよね。(石野さん)

キャッシュバックも1つのマーケティングであって、MVNO側も何年か前に追求はしましたが、結果としてサブブランドという戦い方をされるようになっている状況です。数十万キャッシュバックで競争していてくれていた頃のほうがMVNOとしては戦いやすかった気がします。ただ、総務省からもキャッシュバックを叩いて欲しいということも言われたりしますが、それよりもMNOとMVNOの多様性のほうが大事ということを原理原則に頑張っていきたいと思います。
料金プランについては耳が痛いところではあるのですが、下げなければ競争からはじき出されてしまうというところがあって、市場が決めたというのもあるかと思います。その料金プランからぜんぜん違う攻め方をしてきたサブブランドについては、MVNO各社ともどうしようかと考えている状況です。接続料の問題も数年前と現在では状況が変わってきていることもあり、MVNOが血を流してでもチャレンジして変えていかなければならない、通信品質を確保しなければいけないのではと思います。(佐々木さん)

(8)IIJのフルMVNOサービスについて
媒体別にレビューが必要で、色々写真を撮りたかったのでフルMVNO版Japan Travel SIM(JTS)を2枚買いました。速度などはIIJmioと同じですが、SIMを挿すだけですぐ使えるようになったり、iOSだとオフィシャルには言っていないもののAPN設定不要だとか、アクティベーションが簡単というのは新鮮に感じました。また、フルMVNOで独自に開通制御ができるので、価格が安いというのも訪日外国人面向けとして魅力に感じました。ただ、初日に買いに行った時に、店頭でライトMVNOJTSを購入している外国人さんがいて、もっとサービスインをビシッとやってほしいなと思いました。(石野さん)

個人的にはIIJさんにはSIMを日本中、世界中にばらまいてほしいなと思っています。業界全体を盛り上げるプロモーションのような形、SIMカードの認知向上にばらまいてほしいと思っています。(石川さん)

フルMVNOということで、SIMカードだけでなくIoTや組込み用、eSIMといった形で使えるように広げていってほしいと思います。(太田さん)

国際ローミングという点で、現地でSIMを買ったりするのは結構ハードルが高かったりするので、対個人向けには国際ローミング対応に頑張ってほしいなと思っています。結構聞く話で、メイン回線をMVNOにしてしまい、キャリア契約と同じイメージでローミングで使えると思ってしまい利用できないパターン。慌ててSIMを現地購入するも、グレートファイアウォールに引っかかりTwitterが出来ないといった話はありました。(石野さん)

国際ローミングに関しては制度がなく、ビジネスが全くない状態です。キャリアとも交渉する爪が引っかからない状況で、初期のMVNOと同じように提供できない状況に直面している形です。
IIJとしてのフルMVNOの柱が1本はSIM発行の自由化、もう1本は国際ローミングだと思っていますが、どうやって国際ローミングを提供していくかというのはもうちょっと先の話だと考えています。eSIMはロマンのあるビジネスモデルだと思っていますが、5年後くらいに先を見据えたことをやっていたのがIIJ、と言われるようなことを夢描いています。(佐々木さん)

(9)MVNOが生き残るためには?
手っ取り早いのはキャリアと一緒になることだというのは間違いないと思います(笑)。ただ、そうなってしまうとMVNOの個性がなくなり、面白くなくなってしまう。そうならないためには、MVNOとしてはある程度リスクを背負っていく必要があるかなと思います。IIJはフルMVNO化でかなりリスクを背負っていますし、他社も色んなパートナーさんと組むことによって、色んな広がり方が見えてくるのではと思っています。(石川さん)

少なくとも現在シェア上位のところは大丈夫だと思うので、差別化を図りつつサービスを多様化させていけば大丈夫だと思います。ユーザー層に特化した形とか、IIJさんみたいにフルMVNO対応するとか、差別化の仕方は色々あると思うので、ユーザーに選ばれるのが大事だと思います。料金一辺倒から違う方向に進むと良いなと。(石野さん)

色んなニーズがあると思っていて、1社だけではカバーできないところもあると思います。小さなMVNO事業者であっても、ある程度ターゲットを絞ってユーザーと一緒に満足度を高めていくことをやっていけば、特色を出しつつ生き残れるのではないかと思います。(太田さん)

キャリアと一緒になるという選択肢も悪くない選択肢ではあると思います。ただ、キャリアと一緒になるというよりは、利害が一致するところは協力してやっていくというスタンスが良いのではないかと思います。5GやIoTの展開といったところでは、キャリアと敵対する箇所はあまりないと思っているので、逆にMVNO側がキャリアをうまく利用していく、新しい価値を生み出していく、その点は我々の腕の見せ所だと思っているので、次のステージを目指して戦っていければいいのかなと思っています。(佐々木さん)
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フリートーク
Twitterからの質問】
Q.堂前さんは車にGoogle Home miniを搭載しているそうですが、SIMはタイプIですか?また使用用途を教えてください。
A.今のところはタイプDを使用していて、運転中に街中で見つけたものをボイスメモとして記録し、自分のTwitterやLINEに飛ばすようなことをしています。(堂前さん)

Q.SIMサイズの交換キャンペーン、近々予定はありませんか。
A.時々やっていますが、直近の実施予定は現在未定です。予定が決まりましたらTwitter等でお知らせします。(堂前さん)

Q.自分のSIMロックフリースマホがETWS対応かどうか、簡単に調べる方法はありますか。
A.ETWSの試験装置がIIJにはあるのですが、1回の試験で30分程度はかかってしまうんです。個人の方が調べるのは非常に難しいと思います。(堂前さん)

Q.ずっと売れ続けている機種はありますか。
A.端末ライフサイクルが早くなってきていて、早い機種では発売から3ヶ月後ぐらいには最終発注になる事もあり、世代交代が早いです。(佐々木さん)
A.人気機種だと在庫切れで入荷しなくなるケースも結構あります。(堂前さん)

Q.タイプIの個人向けサービス提供はまだですか?
A.データ通信しか提供しておらず音声通話ができない、利用者が多いと思われるドコモ端末でもSIMロック解除が必須といった点があり、個人向けとしては大きなメリットがないので現状提供をしていない状態です。何かいい方法があれば提供していきたいとは考えています。(堂前さん)

Q.タイプAでSIMロックフリー端末を使うと、MTU値の問題があったかと思いますが、最近販売されている端末ではMTU値の問題は解消されているのでしょうか。
A.数回前のセッションでのタイプAにおける事象ですが、現状も解消されていない状態です。(堂前さん)
#懇親会会場で大内さんにも聞いてみたところ、「端末メーカー側としてもあまり意識していないような様子で、通信自体はできてしまうのであまり重要視されていないのでは…。UQ mobile向け端末には独自チューニングされている可能性はありますが、そこまで調査はできていない状態です。」とのことでした。

Q.タイプIでSMSが利用できるようになる見込みはありますか。
A.SMSは他社との中継や接続が必要となるため、現状のデータ通信だけでは対応できない状況です。(堂前さん)
A.タイプIは020番号を割り当てていますが、020番号は人対人の利用ができないルールとなっており、SMSが使えるようになるためには現状ハードルがかなり高いです。(佐々木さん)

Q.海外トラベルSIMやローミング等で、海外利用中に検閲される可能性はあるのでしょうか。
A.海外トラベルSIMに関しては、グレートファイアウォールの影響はないと確認していますが、検閲されているかどうかは現地の国の方針によるのでコメントしづらい状況です。(堂前さん)
A.国内では検閲の禁止が法律で決められていますが、海外現地での利用に関して保護されるものではないため、現地では検閲されている可能性も考えられますので、その点はご理解いただきたいと思います。海外では海外の法律が適用されますので、現状Twitterが利用できるからといって、検閲されていないとは断言はできません。(佐々木さん)

Q.香港で販売されているAIRSIMのクラウドSIMプランにIIJが追加されましたが、これはIIJのeSIMサービスなのでしょうか。
A.香港のSHINETOWN TELECOMさんにIIJのプロファイルを提供し、日本向けプロバイダとして選択肢に出てきているものと思いますが、IIJが直接eSIMとして提供している形ではないです。(佐々木さん)

Q.個人ユーザーのデータ使用量の平均値ってどれくらいでしょうか。
A.使用量の数値については知得として取得していますが、ここで公表することは漏洩になってしまいますので差し控えさせていただきます(笑)(佐々木さん)

Q.将来的に標準サイズSIM、microサイズSIMの提供を終了する予定はありますか。標準サイズSIMの製品が新規に出る可能性は低いと思うのですが。
A.タイプAについてはマルチサイズSIMで提供させていただいていますし、タイプDについてもマルチサイズSIMでの提供を検討中(一部では既に提供中)です。ですので標準サイズSIMの提供を終了するということはないと思います。(佐々木さん)
#法人向けだとヤマハNVR700Wが標準サイズSIMのみ対応となっているため、意外と標準SIMサイズって使われてたりします。
https://network.yamaha.com/products/routers/nvr700w/spec
#後継機種だとnanoSIMになるかもしれませんが、現状では標準サイズSIM(または変換アダプタ使用)のみです。

Q.プラスメッセージは導入しないのですか。
A.キャリアさんから話もなく、MVNO事業者は導入できるのか、メリットはあるのか何も検討できていない状態です。提供時期自体も全く目処がないです。(佐々木さん)
A.キャリア3社では提供されている状態ですが、ビジネス用アカウントの提供やスタンプなど他にも課題が残っていて、MVNO事業者への展開はだいぶ先になる気がします。新規参入する楽天をどうするか、というのも課題の1つのようです。
 国内キャリアが一斉同時スタートしたのは日本だけ(海外では主要キャリアであっても数社のみサービスインしている状態)で、海外からも注目されていて大変なようです。(石野さん)

Q.数多くあるMVNOの中からIIJmioが選ばれる要因は何だと思いますか。
A.現在利用していただいている方のリコメンドが大きいとエゴサーチしていて思っています。反面、否定的な意見もあるのは認識していますので、精進していきたいと思います。(佐々木さん)

Q.大阪会場の中継もしてほしいのですが、難しいのでしょうか。
A.大阪会場は貸会議室を利用しており、機材や回線の都合上、直近での対応は難しい状況です。(堂前さん)
#大阪会場はグランフロント大阪での開催がほとんどですが、ある程度の人数が入れる会場があまり無いことと、会場設備の問題があってなかなか難しいようです。

Q.MVNOの速度測定について、総務省等での取り決め(スピードテストブースト等の禁止)はあるのでしょうか。
A.技術的に防ぐといった内容まで踏み込んだ議論はしていませんが、総務省さんからは「速度測定時のみチートを行い速度を速く見せる行為は、確実に優良誤認に該当する」といった話は頂いています。(佐々木さん)

【会場からの質問】
Q.日本人が国内で販売されたスマホを海外で利用する場合、現地の技適に引っかかり不利益を受けるケースはあるのでしょうか。
A.キャリアモデルであればFCC認可が通っていて問題がないケースと、技適相当の罰則が販売規制のみ(利用者側には罰則規定なし)というケースがあります。国によっては全くダメなケースも恐らくあると思います。(石野さん)

Q.SIMロックフリールーターのメーカーさんに問い合わせたら、タイプIは動作するかどうかは不明と言われました。SIMロックフリーなら動作すると思うのですが、何か他にも縛りがあるのでしょうか。
A.動作検証をしていないので利用できるかどうか分からないというケースと、仕様により利用できないケースの両方が考えられるかと思います。最近の機種であれば概ね動作するものと思われますが、メーカーさんの仕様によってはうまく動かないケースが出てくるかと思います。IIJで取り扱うIoT機器については、メーカーさんにフルMVNO版SIMを提供し動作確認をしていただいていて、一緒に調整を行ったりしています。(堂前さん)

Q.法人向けにIMEIを利用した接続認証機能を提供していると思いますが、IMEIの偽装は出来なくもないと思うのですが、大丈夫でしょうか。
https://www.iij.ad.jp/biz/bizplus/
A.IMEIだけで認証するというものではなく、業務用SIMを個人スマホで利用するのを許可しないといったものを想定しており、IMEIだけで社内情報にアクセスできるような認証サービスではありません。(佐々木さん)

Q.LINEモバイルが格安スマホ最速チャレンジを行うそうですが、どうお考えですか。
A.最速チャレンジと達成できなかった場合ユーザーに1GB付与というのはマッチしていないと思いますし、一番のツッコミどころはUQ mobileを外している(UQ mobileが最速とみなしている)ところなので、どうなのかなと思います。(石川さん)
A.LINEモバイルの社長もその点は認めていて、「UQ mobileは除くってなんだよ」と一人ツッコミをしていました。また、最速チャレンジなのに1Mbpsという基準も最速なのか、1Mbpsを切ったら1GB配布とか、よく分からないですね。(石野さん)
A.詫びギガ、ということですね。(会場で笑いが起こる)(堂前さん)

Q.新規参入する楽天について、技術面では不足している部分が多いと思いますが、どのように構築してくると思いますか。
A.海外だとエリクソンやファーウェイにネットワークを(丸投げして)構築してもらいつつ、キャリアでコントロールするみたいな事例もあるので、そういうパターンなのかなとも思います。やろうと思えば出来なくもないとは思います。(石川さん)
A.全て丸投げでは駄目でノウハウは必要だと思うのですが、取材側も取材が足りていないので、正直分からない状況です。(太田さん)
A.既存キャリアからの引き抜きもあったという話は聞きました。既存キャリアで以前は説明をしていた人が、ここ最近の楽天の発表側にいたという事例もあります。(石野さん)

Q.格安スマホの定義ってどこなんでしょうか?SIMロックフリーiPhoneMVNO SIMを挿したら格安スマホなんでしょうか?
A.「格安スマホ」という表記に納得感はあまりないのですが、仕方がないのかなあ…と思うところはあります。(堂前さん)
A.「格安スマホ」という表記は、イオンと日本通信Nexus 4を販売した時に日経新聞が使ったのが最初だった気がします。各MVNO事業者も「格安スマホ」と呼ばれたくないと色々試行錯誤したのですが、結局「格安スマホ」という表記は残ったままの状態です。
 メディアも表記的に苦労していて、端末の場合は格安スマホ、料金の場合は格安SIMと表記していますが、なんとなく伝えているのが正直なところです。(石川さん)
A.ITmediaとしては「格安スマホ」という表記は極力使わないようにしています。MVNO事業者が提供する回線のことを「格安SIM」「MVNOサービス」と表記することはありますが、統一はされていないです。(田中編集長)
A.いろんな媒体で書いていると面倒くさいことになっていて、「MVNOだと分からないので格安スマホ」表記に直したり、「MVNO(大手通信事業者から回線を借り格安スマホとも呼ばれるサービスを提供する通信事業者)」という表記になったり、表記の揺れがあったりしてなかなか難しいです。(石野さん)
A.MVNOという表記は一般の方には通じにくく、ここまで「格安スマホ」という言葉が浸透しすぎていると変えるのは難しいとは思います。(太田さん)
A.海外で講演する際、英語に「格安スマホ」という言葉がないので、海外講演用資料の悩みのタネの1つではあります。とはいえ、MVNOという言葉の認知不足は我々の努力が足りないせいだとは思うので、MVNOMVNOだよなあ…とは思っています。(佐々木さん)

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今回もいろいろと勉強になった回でした。

また、次回も日程を調整して参加したいと思います。