うらがきろく

uragakiの記録・メモブログ

IIJmio meeting 第24回目に参加しました #iijmio

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IIJmio meeting第24回に参加しました。

 

※各発言は一部まとめて編集しています。
 ニュアンスが変わらないように注意はしておりますが、何かありましたらコメント欄で構いませんのでご連絡をお願いいたします。
※「#」は私のツッコミ、補足です。

資料はIIJ様の公開資料を引用させていただいております。

techlog.iij.ad.jp

 

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展示コーナー、OPPOさんのOPPO Reno 10x Zoom。

1倍だとよくあるスマホの写真ですが…

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7.1倍で文字が読めるくらいまでズーム。

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10倍(※)だとここまで近寄れます。

スマホでここまでズームができると、別途デジカメがなくてもある程度対応できてしまいますね。

※…OPPOの定義ではハイブリッドズームは6倍まで。10倍にするとデジタルズームになるものの、画素数の高さで劣化を抑えている模様。

ITmediaさんの記事参照:

www.itmedia.co.jp

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Renoはインカメラ用のノッチがありません。

Find Xではスライド式カメラで対応していましたが、

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Renoではインカメラに切り替えると、ぴょこっとインカメラが顔を出します。

アウトカメラに切り替えるとまた戻ります。

フラッシュオンの時もぴょこっと顔を出す形。

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Renoの背面カメラ下にある、ソニー・エリクソンのロゴのようにも見えるものは、「O-DOT(オードット)」。

カメラは飛び出していないのですが、本体を置いた時にカメラが直接置いた面と触れないようにする突起とのこと。

#音ゲーユーザーだと、この突起があるせいで机などで置いてプレイする時に逆に邪魔になってしまうらしい…。

#また、保護ケースもこのO-DOT部分までくり抜いてあるものがほとんどのようです。

 

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お次はモトローラさんのmoto g7シリーズ。

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コストパフォーマンス抜群な価格設定に加え、ピュアAndroidなので変なカスタマイズが入ってないのは大きいかも。

#メーカー独自の味付け、個人的には嫌いじゃないですがいろんな端末使ってるとメーカーごとのクセに振り回されることありますし…。

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IIJmioサプライサービスで扱いを始めた中古iPhone、実際に取り扱うレベルの端末が展示されていました。
リユースモバイルガイドライン評価基準が「A」のもので、「目立つ傷がなく非常にきれいな状態」な端末のみ扱うとのこと。

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iPhone SEでこんなにきれいな端末、中古ではなかなか見かけないと思います。

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角にも落としたような跡は特に見当たらず。

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充電端子部分もきれいでした。

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iPhone 8も特に傷は見当たらず。

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きれいな中古iPhoneがほしい時は、IIJmioサプライサービスを選択するのもありかと。

#ただし、Apple Careに加入できないこと、付属品がないことについては注意。

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チップSIMのサンプル表示。nanoSIMよりも、もっと小さい。

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映画のフィルムのようなロットで納品されてくるそうです。

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eSIM版Japan Travel SIM発行機。

実際の構成ではなく、あくまでもコンセプトとしての展示でしたが、実際に動かすことも可能でした。

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きちんとQRコード付きのレシートも出てきます。

空港など、外国人旅行客向けにeSIM版プリペイドプランを提供する形として展開を想定しているとのこと。

#なんで富士通タブレット?(一時期、秋葉原の中古ショップで大量に販売されていたもの)と思ったのですが、堂前さんのお手製だそうです。

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1.IIJmio Updates 2019/04~2019/06 (堂前さん)

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最初は堂前さんのIIJmio Update。

#今回はeSIMサービスが始まったということで、登壇者の方およびスタッフの方はeSIMオリジナルTシャツでした。

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eSIMプランの開始。

 

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QRコードを読み込むことにより、SIMカード相当の内容がダウンロードされてくる形となります。

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iPhone XS/XRにはeSIMが搭載されており、従来のSIMカードとeSIMの両方が利用できるようになっています。
キャリアの音声通話はSIMカード側で、データ通信はIIJのeSIM側で通信を行うことにより、通信費を削減することができます。
裏技的な使い方として、昼休み時間帯だけキャリアでデータ通信を行い、混雑による速度低下をカバーするといった使い方も可能とのこと。

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iPhone以外にもiPadWindows PC、Android端末でも使えます。
ただし、Android端末は現段階ではGemeni PDAのみ国内版として利用が可能で、Pixel 3シリーズは国内版はeSIM非対応となっています。
海外版はeSIM対応なものの、技適を取得していないので日本国内では利用できません。

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ベータ版としての提供について。
eSIMはIIJのフルMVNOサービスを利用しているため、SMSや音声通話には対応しません。
通話に関しては従来のSIMカードを利用する形となります。
プランもデフォルトでは月6GBのもののみ、大容量オプションやコンビニ等で販売しているチャージクーポンで追加することは可能とのことです。
他の契約との通信量シェアも現在非対応とのこと。
#ベータ版としての提供のため現状提供サービスを絞っているとのことなので、将来的には対応予定(なはず)。

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Apple Watchセルラー版の対応について。
中身としてはeSIMを使っているものの、eSIMへの書き込み方法が非公開のため現状では対応できないとのことです。

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eSIM販売機のコンセプトモデル。
SIMカード販売の陳列が不要で、省スペースでの販売ができるのではないか、とのことでした。

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iPhoneの取り扱いを開始。
なお、CPO品(Apple認定整備済製品)ではないのでApple Careに加入することは不可能。
取り扱い端末としては、リユースモバイルガイドライン評価基準Aのもののため、中古といってもきれいな端末を入手することが可能です。
#実際に展示されていたものを見ましたが、傷などは特に見当たらず。
#実際に購入された方の話だと、バッテリー性能としては90%程度だったそうなので、激しい使われ方はしていないものと思われます。

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iPhone SEiPhone 7であればかなりお買い得かもしれませんが、iPhone XR/XSでは値段差はほとんどなく、また付属品がついてこない(+ Apple Care非対応)のであまりメリットはないように思えます。
これには専門業者に依頼をして基準を満たした端末を確保する、といったこともあり、価格がそれほど下がらないようです。
eSIMサービスを始めるにあたり、eSIMに対応したiPhoneを扱いたいということで、XS/XRも準備したとのことです。
#中古販売店の場合は、買取=在庫として扱えるため、端末を確保しやすい(在庫量もランク付けの良し悪し問わず揃えやすい)という事情もあるようです。
#IIJmioで購入したiPhone XS/XRでないとeSIMサービスが使えないということはないので、Apple Storeや中古販売店で購入する他にも購入する手段が増えた、という考えのほうがよいかもしれません。

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Motoloraのmoto g7シリーズを取り扱い開始。

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OPPOのReno。
インカメラがポップアップする形。

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色々あって販売を見合わせていた、ファーウェイのP30も7月2日より販売開始。

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ビックカメラBIC SIMがビックポイントで支払い可能に。
BIC SIMの契約が1つでもあれば支払い可能とのことなので、うまく契約を合わせることができればお得にポイントが活用できます。
#ポイント支払いにはポイントが付かないので、こういったところでポイント消化するのがお得ですね。
#新学生、新社会人の需要が増える3~4月にサービス開始してくれていれば…と思った人もいるかも。

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夏トク!キャンペーンのお知らせ。

#大幅値引きができるのもあともうちょっとだけ。理由は法令改正に絡んできます。この後の堂前さんのセッションにて説明あり。

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2.MVNO素朴な疑問解決編(堂前さん)

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IIJmio meetingが始まったのは、まだ「格安スマホ」という言葉もなく、「MVNO」という言葉にもなじみの薄かった2013年11月。
その頃は「アンテナピクト問題」や「セルスタンバイ問題」があり、各MVNO事業者も対応に苦労していた頃で、ブログ等で発信している個人ユーザーも結構いたものの、発信している内容が誤解を招く内容だったということもあったようです。
そこで、IIJとしてちゃんと技術的な発信をするイベントを開催すべきでは?ということとなり、第1回目のIIJmio meetingが始まりました。そして、24回も続く交流イベントとになりました。

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これまでのセッション振り返り。

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ちょっと内容が高度化してきたこともあり、初心者に向けた振り返りを行うことに。

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MVNOUQ mobileY!mobileは何か違うのか?

ドコモ、auソフトバンクは「キャリア」、その他の会社は「MVNO」「格安SIM」「格安スマホ」と呼ばれています。
格安スマホの中でも「サブブランド」と呼ばれるものもあります。

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MVNOはキャリアと違いアンテナを自前では持たず、キャリアから借りる形をとっています。
携帯基地局から途中のネットワークまではキャリアの設備を経由し、その途中から分岐して各MVNO事業者のネットワークに入って通信を行う仕組みになっています。

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サブブランドの説明。
一番わかりやすい説明がユニクロ
ユニクロ自体は株式会社ファーストリテイリングが運営していますが、同社はGUというブランドでも衣料品販売を行っています。
同じ会社であってもブランドを分け、価格帯やターゲットを変えて販売する、といった形です。

携帯キャリアも同様で、KDDIは自社ブランドとしてはau、グループ会社としてはUQコミュニケーションズのUQ mobileを展開。
ソフトバンクも自社ブランドとしてはそのままソフトバンク、グループブランドとしてはワイモバイルで展開しています。

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ただし、ワイモバイルを契約しても、ネットワーク自体はソフトバンクのものを利用します。
最近はソフトバンクとワイモバイルの両方を共同運営している店舗も増えました。

#自宅近くのワイモバイルショップは1年前くらいに閉店し、近くにあったソフトバンクショップと共同運営の形に移行してました。

#実家近くのソフトバンクショップも、移転した際にワイモバイルも取り扱うようになっていました。

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UQ mobileUQコミュニケーションズという、KDDIとは別会社で独立したキャリアが運営しています。
通信事業はUQ WiMAXからスタートしているため、自前で基地局・通信設備を持っています。

#もともとはKDDIの100%子会社である「KDDIバリューイネイブラー」という会社が「UQ mobile」というブランドで運営していましたが、UQコミュニケーションズと2015年10月に合併しました。

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au契約の端末はほとんどがWiMAX2+に対応しており、利用者が多いところなどではキャパシティを確保するため、auUQコミュニケーションズからWiMAX2+回線を借りる形をとっています。
逆に、WiMAXは周波数帯の関係上、電波が飛びにくい性質がありエリア外の場所があるため、それを補うためにau回線を借り、auでの通信に対応したWi-Fiルータを提供しています。

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UQ mobileauから回線を借りているのと同時に、自社のUQ網を利用して通信サービスを行っています。
つまり、auの回線とUQの回線の両方を相互に貸し借りしているような形です。
# UQ側から見ると、auMVNOの立場になるので、日本最大のMVNOauと見ることもできるのでは、とのこと。

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サブブランドとは別に、いくつかのMVNOはキャリアのグループとなっています。
KDDIJ:COM mobileBIGLOBEソフトバンクはLINE mobileをグループ傘下にしています。
NTTドコモはサブブランドがなく、OCN(NTTコミュニケーションズが提供)はNTTグループではあるものの、直接的な資本提供は行われていません。

なお、この表に載っているキャリアおよびMVNO事業者は(世代の新旧は別として)新品のiPhoneを提供しています。
新品iPhoneを提供できるのは3大キャリアおよび、キャリアのグループに現状は限られています。
#日本でのiPhone販売に関しては、キャリアに対して販売台数のノルマがあると言われていますが、販売数拡大のため傘下のグループまでであれば、Apple社が新品iPhoneの販売を許可している、と考えることもできますね。

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Q.MVNOは通信速度が遅いのですか?
A.はい。

よく誤解されるのが、MVNOだから遅いのではないということ。
キャリア契約回線とMVNO契約回線でも、電波のエリアに関しては区別はありません。
#キャリアだと電波が受信できるのにMVNOだと受信できない、といったことは考えづらく、別に要因があると考えられます。

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ただし、基地局が混雑する場所(大都市の駅や花火大会などの大規模イベントなど、人が多く集まる場所)ではキャリアもMVNOも通信しづらい、速度が出ないといったことは考えられます。
MVNO特有の原因としては、ネットワーク分岐部分が大きく影響してきます。

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通信はよく土管に例えられますが、キャリアの土管部分からMVNOに分岐する土管の太さは、各MVNOによって異なります。
分岐した土管の太さに対し、何人の利用者が利用しているか、によって速度が変わってきます。

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同じ太さであっても、利用者が増えればその分1人あたりの割り当ては減ります。
割り当てが減ると、通信速度が落ちるようになります。

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契約者の増加に対し、各MVNO事業者は土管の太さを増やして対応します。
これを回線増強という形で速度を改善するようにしています。
IIJmioタイプDの場合、月に3回程度の増強対応を行っており、増強によって速度が改善されるタイミング、利用者増による速度が低下するタイミングが何回かあるとのことです。
増設対応を行っていない場合は全く速度が出ない状況になるため、ある程度の速度目安を維持できるようにしているとのことです。
#速度目安の具体的な数値に関しては非公開。

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次に、時間帯によって速度が低下するパターン。
キャリアとの分岐点の土管の太さは時間帯によって可変という形ではなく、次の増強まではその太さのままで一定です。
昼休み時間帯は特に利用者が多くなるため、土管の太さに対する速度低下の影響が顕著になります。

#朝の通勤通学時間帯、夕方~夜の帰宅時間にも通信が混雑しやすい傾向あり。

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IIJの場合はタイプD(ドコモ回線)とタイプA(au回線)で速度が同じくらいになるように調整していますが、タイプDのほうが利用者が多いことから設備増強回数が多くなります。
タイプAの場合は利用者の関係上、設備増強の間隔が空くことがあり、速度低下と回復の差が大きくなっているのではないかとのことでした。

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昼休み時間帯の速度低下は地域に関係なく発生します。
IIJmioの分岐点は東西2か所あり、昼休みに観測するとどちらの分岐点も同じように混雑しているとのこと。
#タイプDのみ2か所で、タイプAは1か所。タイプD利用者の場合はどちらかに振り分けられて通信を行う。関西だから関西地区の分岐点に接続される、という訳ではなく分散して振り分けられているとのこと。

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地下鉄では電波が弱いのではないか、という問い合わせをいただくことがあるそうですが、その点について堂前さんが実地調査を実施。

youtu.be

ドコモもIIJmioもほぼ同じタイミングで通信が途切れ、また通信が復旧するということが確認できます。

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地下鉄の場合、アンテナ設備の増強が難しく、どうしても通信が途切れる箇所があるとのことです。
地下鉄は携帯電話において非常に厳しい環境で、トンネル部分はもちろんですが、駅のホーム上においても設置スペースが限られているため、公益社団法人移動通信基盤整備協会という団体が3キャリアまとめて共同で設備を設置しています。
ただし、3キャリアとも周波数が異なり、最適な場所にアンテナを設置できるわけではないため、どうしても特定区間で途切れやすいキャリアは出てきてしまうようです。
朝の通勤時間帯は更に過酷な状況で、電車1編成の定員が1500人と言われており、乗車率も100%を超えます。屋外の駅であれば周辺の基地局でカバーするということも可能ですが、地下鉄の場合は1つの基地局でしか処理できず集中してしまい、処理の負担もあって通信が遅くなることもあるようです。
対策を取ろうにもスペースが限られていることから、今すぐの改善はなかなか厳しいとのこと。

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2019年5月「電気通信事業法」改正案が成立しました。
それに伴い、携帯電話関連の販売や契約に関しても検討が進められています。

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キャリアおよび、キャリアのグループ会社も規制対象となります。
MVNO事業者も、0.7%のシェア(約100万契約)を超える場合は規制対象となりました。

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改正には1号禁止行為と2号禁止行為があり、IIJmioの場合は、
・通信の契約を前途とした端末の割引が2万までに制限されるため、端末の大幅値引きはできなくなる
・2年縛りは導入していないものの、音声通話SIMに関しては短期解約時に解約調停金を徴収しているため、そちらは影響が出てくる
・長期利用特典の制限が発生するため、現状の長得に関しては特典を減らす方向で見直し
と影響があるとのことです。

#総務省としては、移行しやすくすることで事業者間の競争も活発化させたいようですが、この制度によって恩恵を受ける人がどれだけいるのかという疑問は感じます…。

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3.IIJにおけるeSIMの取り組み サービス開始に向けた軌跡(圓山さん)

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今回初登壇の圓山さん。

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eSIMは機器に組み込んで使うSIMという意味。
小型化が可能で、SIMカードの接点がなく基盤にはんだ付けできるため、耐振動性や耐久性にも優れています。

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しかし、組み込み式の場合はSIMの差し替えができないので、他のキャリアに乗り換えるためには書き換えられないと対応できません。
#eSIMの場合、寿命が長いのでそれなりに使われることを想定しているようです。

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解決方法としてはリモートで書き換え(RSP:Remote SIM Provisioning)という方法があります。
SIMのプロファイル部分を書き換えて対応させる方法。

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eSIMにはM2Mモデルとコンシューマモデルの2つがあり、M2Mモデルは一般ユーザが利用するにはハードルが高い模様。
可動式デバイスでの利用にはあまり向いていないようです。

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コンシューマモデルの場合、プロファイルの切り替えをデバイス内の操作で可能になっているなど、利便性は増えているようです。
ただし、セキュリティ担保のためにGSMAの監査および承認された証明書が必須。
※中国国内ではGSMAの証明書ではなく、中国国内で発行された証明書が必要とのこと。

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AppleApple SIMから運用が始まり、Apple Watchへと拡大。ただしこれらは独自仕様。
GSMA準拠としてはiPhone XS/XRからになります。

マイクロソフトWindows 10のver1703(Creators Update)からLPA提供開始、GSMAコンシューマモデルに対応。eSIMを搭載したSurface Pro LTE Advancedを発売しています。

GoogleGoogle Fiから独自仕様のeSIMでモバイル通信を提供していました。Pixel 3でGSMA準拠のeSIMに対応しましたが、国内版ではeSIM非搭載(代わりにFelicaを搭載している)なので現状では国内で正式に利用できるPixelシリーズはありません…。
#海外版のPixel 3シリーズはeSIM搭載モデルがありますが、技適が通っていません。

その他のメーカーではソフトSIMという形で、eSIMに対応したものが販売されています。

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IIJが目指すeSIMサービス。
フルMVNOとしてコンシューマモデルの形で提供をしていきたいとのこと。
M2Mモデル提供は各国のプロファイルの調達やeSIMの提供が必要など、ハードルが高い模様。

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端末検証を行った結果、様々問題が発覚。
標準仕様の定義不足や端末のバグといったことがあり、定義不足に関しては規格側の不備もあるとのこと。

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解析しようにもほとんどがデータ暗号化が掛かっており、プロファイルも暗号化されているので確認ができないとのこと。
デバッグログやカードタイプのeSIMを利用し、プロファイルの確認を行ったとのこと。

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eSIMが普及することのメリット。
SIMの抜き差しが不要となるため、海外のSIMを利用する際に入れ替えを行わずに利用でき、プリペイド形式で利用するには便利なこと。
また、在庫の問題が無くなるので、販売側・利用者側どちらにもメリットがありそうです。

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今回のサービスはベータサービスのため、正式版になった際にはもっと利用しやすくしたい、また、eSIM搭載機を普及させていきたいとのことでした。

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4.eSIMプロファイルの取り扱いと今後の展望(木野さん)

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最後は木野さんのセッション。

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eSIMの提供はフルMVNOにならないと実現困難だった…はずだったのですが、いろいろと状況が変わっており、KDDIがGigskyのプロファイル提供を受けて「海外データeSIM」という形でプロファイルを提供中。
また、eSIMのプラットフォーム自体を間借りして自社のプロファイルを置いてもらうということもできるようになり、他社の例ですとソラコムさんがTruphoneのプラットフォームを利用し、eSIMのプロファイルを提供して実現しているというのも実例として出てきています。

IIJとしては自社でフルMVNOとして提供することが可能な環境があるので、自分たちのプラットフォームでビジネスを展開していきたいと考えているとのこと。

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最近の動向として大きいのは、なんといってもiOSハンドセット端末(iPhone XR/XS)がeSIM対応端末として売り出したこと。
Windows10はver.1703から対応、マイクロソフトはAlways Connnected PCの構想があり、Surface Pro LTE Adbancedを初め、eSIM搭載のPCがだんだん増えてきている状況。
AndroidAndroid Pieから標準APIに対応し、やっと普及し始めました。
Pie以前でも、メーカー独自の実装でeSIMを実現している端末もあります。

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iOS12.1からeSIMの機能を正式に開放し、QRコードの読み込みまたは事業者提供のアプリでプロファイルを導入する方法が提供されています。
QRコードを読み取るタイプは多くの事業者で提供中、自社アプリ対応はGigskyやTruphoneなどが提供しています。
QRコードを読み取る場合、ユーザーに対応してもらう必要があり1つのハードルとなるため、キャリアが提供する場合はアプリでの提供が多いようです。
コンシューマーRSP仕様にはプロファイルダウンロードまでは規定されているものの、ダウンロード後に機種変更やMNPといった際のプロファイル移動などは規定されておらず、各国の法律や制度などをGSMAに提案して議論されているとのこと。このような状況のため、音声通話を含めたeSIMの提供は現状かなり難しく、キャリア側もeSIMについてやっと動き出した状況であるとのことです。

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iOS12.2でのプロファイルダウンロードの流れ。
iOSの場合は流れとしてはかなり簡単で、WebのeSIM導入体験記などでも「あっけなく導入完了してしまった」ということが書かれていることが多いようです。
ただし、IIJmioで提供するeSIMはアップル認定のものではないため、プロファイルをインストールしようとすると「保証されていないモバイル通信プラン」という表示が出てしまうとのこと。これはあくまでも警告表示で、使用するにあたっては特に問題ないそうです。

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Windows 10はver.1703から対応しているものの、eSIM搭載PCでないとメニューに出てこないはずなのですが、eUICC対応SIMカードを挿すとメニューに出てくるPCもあるそうです。
ただし、eUICC対応SIMカード自体は一般に販売されているものではないため、手軽に試せる訳ではないようです。
プロファイルの導入方法としては、「QRコード読み取り」と「モバイル通信プランアプリ」からの導入の2つがあり、モバイル通信プランアプリは正式対応はver.1803からとなっていますが、アプリ対応している事業者は現時点で4社と非常に少なく、そのうちの1つがKDDIさんとのこと。

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Androidから見た現状のeSIM。実質eSIMを活用できるのはPixel 3シリーズのみ。
Pixel 2はGoogle Fiのみ対応している状態で、GSMA準拠もしていないとのこと。
Pixel 3のグローバル版を購入し、基地局シミュレータとシールドボックス内で検証してみたところ、IIJのeSIMプロファイルを取り扱えることは確認できたとのことです。
#技適が通っていないので国内での通常利用は不可です。

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Pixelシリーズ以外ではGemini PDAのeSIM対応版が使用可能。
eSIM Walletという独自開発アプリでeSIMプロファイル取り扱っており、SIM Managerは使用できないとのこと。

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将来への展望。
eSIMプロファイル発行では物理SIMを必要としないため、自社設計のプロファイルを手軽にダウンロードして利用することが可能なため、プリペイドといった提供方式だけでなく、プライベートLTEのような一時的な使用方法も考えられるのではないか、とのこと。
他にも、MDMサービスなどの連携、認証機能としてのeSIMプロファイルなど、法人向け用途としても提供できるのではないかとのことです。

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検討しているものの、難しそうなもの。
eUICC対応SIMカードはサポートが難しいということが見えてきており、物理SIMとして在庫が発生すること、また物理破損した場合のプロファイルの保証、端末によっての動作サポートなどがあり、解析・調査などが幅広くなるとのことでした。
他にも、SIMスロット+eSIM搭載端末にeUICC対応SIMカードを挿した場合、Surfaceで確認した限りでは使えそうなものの、iOS端末やAndroid端末ではまともに動かなかったようです。

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他事業者のeSIMプロファイルの取り扱いについて。
eSIMのプロファイルにもIMSIや鍵情報を含むため、そういった機密情報を含むパラメータを設定する必要があり、難しい箇所になるとのことでした。

海外の事業者のプロファイルを扱う場合も、海外の事業者が属する国の法制度や番号管理ポリシーに絡むため、他国の事業者が入ってくるのはあまりよろしくないのではないかという懸念があるそうです。
IoT端末が増えてきていて番号リソースを割り振る必要が増えてきており、その状況の中で自国の利用者でない端末に番号リソースを振るというのは各国でも議論の対象になっているとのこと。

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5GとeSIMは直接は関係ないものの、既存のパラメータが使えると考えられるとのこと。
とはいえ、5G特有の情報が必要となることから、多少のパラメータの追加は発生する見込み。
SIM設計は5G向けに再度必要になるかもしれないものの、MNOから情報開示をしてもらえない限りは何も出来ないようです…。

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まとめ。
競争環境だけでなく、パートナーを増やしてeSIM普及の後押しを進めていきたいとのことでした。

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資料内に出てくる犬のキャラクターはバリーくん。

IIJ社内で使われているマスコットキャラクターとのことです。

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5.フリートーク

twitterからの質問】

Q.IIJmioでの契約者も、ビックポイントを使うことは出来ないのですか。
A.BIC SIMを盛り上げていきたいというビックカメラさん独自の施策ですので、申し訳ないのですがIIJmioでご契約の方は対象外となります。
BIC SIMの契約が1つでもグループ内にあれば対象となりますので、そちらをご検討ください。(堂前さん)

Q.Wi-Fiコネクトは、法改正後も提供可能ですか?

A.長得のWi-Fiコネクトですが、月額300円相当で総務省の規定170円を超えていますので、改正後は申し訳ないのですがご提供できなくなります。(堂前さん)

Q.eSIMプランをファミリーシェアプランに組み込めるのはいつぐらいになりそうですか。
今回のeSIMのサービスですが、問題点がないかある程度解消してからでないと本リリース版として提供はできないと考えており、今回はベータ版として提供しているため、機能を制限させていただいています。(堂前さん)

Q.ファミリーシェアプランの容量を増やす予定はありますか。
A.現時点ではファミリーシェアプランの容量増量は直近では予定がないですので、大容量オプションをご利用いただければと思います。(佐々木さん)
A.今後も増量予定がないというわけではなく、全体の使用量を見つつ検討はしていきます。(堂前さん)

Q.UQ WiMAXってインテルも出資してたかと思うのですが、WiMAX2+になっても関係はあるのでしょうか。
A.UQ WiMAXの出発点がWi-Fiを発展させた規格なのですが、当初はモバイルWiMAXという規格でした。今はWiMAX2.1と規格が変わっています。これらは事実上別物となっていて、WiMAX2.1はTD-LTEベースとなっています。WiMAX2.1はインテルとの関係は無くなっている状況です。(堂前さん)

Q.タイプAの増強って頻度は少ないのでしょうか。
A.タイプAの増強は2か月に1回くらいだったと思います。定期的に実施はしておらず、回線状況を見て増強をするといった形です。(佐々木さん)

Q.タイプDの増強は毎月3回と決まっているのでしょうか。
A.必ず毎月3回という訳ではないですが、まったく通信ができず使い物にならないといったことがないように、状況を見て増設対応を継続していきます。(堂前さん)

Q.タイプDとタイプAの速度目標基準ってどれくらいなのでしょうか。
A.内部的には速度目標基準はあるのですが、非公開情報とさせていただいております。(堂前さん)

Q.基地局とコアネットワークの間で帯域が不足するということはないのでしょうか。また、基地局の接続許容数を超過することで圏外になることはあるのでしょうか。
A.基地局からキャリアのコアネットワークは光ファイバーによる接続がされていますが、近年は光ファイバーの価格も下がっており、おそらくそこは問題はないと思われます。
圏外になる件ですが恐らくそうはならず、アンテナピクトが表示されるのに通信ができない、といった現象ではないかなと思います。(堂前さん)

Q.お台場の青海展示棟、8月のイベントでも大丈夫でしょうか。
A.青海展示棟は新しい施設なので、アンテナ設備等も対応されているとは思いますが、ふたを開けてみないと分からないかと思います。私も気になっているので、8月に現地調査を行ってみようと考えています(笑)(堂前さん)

Q.ドコモとIIJmioの比較動画で、IIJmioのほうがping値が大きいのはなぜですか。
A.IIJmioの場合は交換機のところでバッファを大きめにとっているため、ping値が高めになる傾向があるようです。(堂前さん)

Q.動画内で使用していたアプリを教えて下さい。
A.Ping That Thingというアプリを使用しました。

https://play.google.com/store/apps/details?id=biz.primitiveandroid.pingthatthing&hl=ja
他のping測定アプリはping値だけ表示されたり、スクロールしてしまって分かりにくいということがあって、このアプリで測定しました。(堂前さん)

Q.タイプD、タイプA共に接続点は2箇所なのでしょうか。
A.タイプAの接続点は1か所だけとなっています。(佐々木さん)

Q.中国国内ではGSMAのルート証明書を使わない理由は。
A.中国ではプロファイルやSIMのデータは中国国内に置かなければならないと決められているため、独自の証明書が必要と聞いています。(木野さん)
A.暗号化の関係で、中国専用の証明書でないと使えないという事情があるようです。(圓山さん)

Q.中国国内でeSIMをサービス提供する場合は。
A.サーバは中国であれば中国の証明書、それ以外の地域であれば別の証明書を使います。eSIMには複数入るので、サーバがどっちを使うか切り替える形です。両方入っていないと使えない形です。(圓山さん)

Q.Windows 10のプロファイルにKDDIさんが対応している理由って分かりますか。
A.KDDIさんのやる気だとは思いますが、積極的に広報されていないのでどういった温度感かはよく分からないですね…。(堂前さん)

Q.eUICC対応SIMカードの入手方法はありますか。
A.eUICC対応SIMカードは一般的なSIMカードではなく、ある程度キャリア側の設計が入るSIMカードのため、一般的に流通するカードではないです。一般の方が入手できる環境にはないと思われます。
eUICCカードには他社のプロファイルを入れないといった設定も可能で、そのあたりの制限が入っているものだと想定されます。(木野さん)

Q.eSIMに対応するにあたり、キャリアと交渉はあったのでしょうか。
A.IIJとしてドコモさんに「eSIMをやる」と宣言したことはなく、フルMVNOなので自由にできますという形です。(佐々木さん)

Q.SM-DP+やSM-DSを利用する委託先ベンダーは。
A.コメントは非常に難しいのですが、少なくともGSMAの認証を通しているベンダーの1つ、ということまでにさせてください。(木野さん)
A.頭文字が「G」から始まるところ、ですね。(佐々木さん)

Q.eSIM対応端末の一覧は公開されないでしょうか。
A.eSIM対応端末であっても細かい不具合などがあることもあり、型番だけでOKですとは言い切れずハードルが高いのが現状です。(堂前さん)

Q.eSIM発券機、細かいところで足りない部分があるようですが、本導入時には改善されますか。
A.デモ展示という形で作ったものであり、画面の詳細設計などはまだまだ検討中のところがあります。本物っぽく見えたのであれば、作った甲斐があったと思います。(堂前さん)

Q.eSIMプランの正規版はいつ頃になりますか。
A.ベータ版でどれくらい情報が集まるか、皆さんご利用いただいて落とし穴にはまっていただけるとと考えております(笑)(堂前さん)

Q.IIJmioのeSIMを登録後、海外のeSIMを登録して使用した後にIIJmioのeSIMに戻す場合、最初のQRコードを読み込めば費用は発生しませんか。
A.1回読み込んだQRコードは無効にさせていただいています。eSIMを削除したということが判断できないため、二重に発行してしまうことを防ぐためにそのような措置としています。eSIMのプロファイルは複数保存しておくことが可能ですので、IIJのeSIMプロファイルを消さずに海外のeSIMプロファイルを利用し、帰国後にIIJのeSIMプロファイルに切り替えていただければ再発行しなくて大丈夫です。(堂前さん)

Q.Raspberry PiでeSIMを実装するのは難しいのでしょうか。
A.端末側にLPを実装しないといけないので、ちょっとハードルは高いかなと思います。Linuxなどの対応が必要になってくるので、そこの対応が難しいのかなと思います。(木野さん)

Q.eSIMで機種変更をする場合はどのように対応すればよいのでしょうか。
A.機種変更の際もQRコードを再発行していただく必要があり、手数料がかかってしまい申し訳ないのですが、解決策も今後検討していく必要があると思います。(堂前さん)

Q.eSIMについて回線開通に伴う本人確認の制度について、何か取り組まれていますか。
A.フルMVNOサービスの通信はデータ通信専用となっており、現状では本人確認義務の対象外にはなっていますが、業界ガイドラインを守る形でやっていく形になります。現状の携帯電話不正利用防止法ではeSIMのことが想定されていないため、秋頃に総務省MVNO委員会で検討会を始める予定を検討しています。(佐々木さん)

Q.eSIMをBIC SIMで取り扱う予定はありますか。
A.eSIMはオンラインで販売ができ、ビックカメラさんの場合は店舗があるという強みがありますので、なかなかマッチしないところがあるのですが、何かいい解決方法がないかなと考えています。(堂前さん)

Q.1台の端末にいくつのeSIMプロファイルを入れることが出来ますか。
A.社内で確認したところだと、少なくとも20くらいは検証しました。eSIMのメモリ容量とプロファイルのサイズに関係してくると思います。(木野さん)

Q.uCloudlinkのクラウドSIMとeSIMの違いは何でしょうか。
A.クラウドSIMというのはメーカーさん独自の規格で、eSIMというのは3GPPが作った標準規格です。eSIMは1度ダウンロードした情報はeSIMの記憶領域に保持しています。(堂前さん)
A.あくまで推測の範囲ですが、uCloudlinkさんの仕様としてはデータセンターに物理のSIMカードがあると聞いています。eSIMとの違いは、物理のSIMが遠隔地のスロットに刺さっているみたいなものだと考えていただけると分かりやすいかと思います。(佐々木さん)

Q.eUICC対応SIMカードAndroid端末に差し込めば、利用できますか。
A.少なくともAndroid PieでないとeSIMのAPIが対応しておらず、Pie以前のバージョンでの利用だと独自に対応する必要があります。対応していても端末ベンダー利用できるようにしていないと使えないので、eUICC対応SIMを挿せば使えるようになるという訳ではないため、我々サポートとしても難しいところではあります。(木野さん)

Q.eSIMでも犯罪などを抑止するため、本人確認厳密化の可能性はありますか。
A.今後、eSIMが普及してきて警察から対応を依頼された場合、事業者としては対応するしかないんですね。その場合は事業者として本人確認を明確化するなど、対応は必須になります。犯罪行為など、悪用は絶対にしないでください。(佐々木さん)

Q.eSIM発行手数料とはどのようなサービス対価なのでしょうか。
A.eSIM発行のオペレーションなど対応費用が掛かりますし、将来的に正式リリースの場合には費用などを既存のSIMなどと合わせていく必要があるかと考えています。どのような業務が発生するかはベータ版として提供していく中で、いろいろ考えていく必要があると思っています。(堂前さん)
A.IIJにある機械だけでサービス提供をしているわけではなく、各ベンダーさんのサービスやライセンスを利用しているため、費用が発生することについてはご理解いただきたいと思います。(佐々木さん)

Q.今回のおみやげのスマホスタンド、実用的で良かったです。毎回楽しみにしています。
A.おみやげのアイデアはいろいろと考えてますので、喜んでもらえるのは嬉しいです。今後もお菓子だけでなく、こういった小物類も考えていきたいと思います。(堂前さん)

Q.IIJmio meeting会場でのSIM回収ボックス設置の予定はいつ頃ですか。
A.SIM回収ボックスのことはすっかり忘れていました(笑)(堂前さん)

Q.IIJmio タイプIの個人向け提供はいつですか。
A.タイプIの個人版提供ですが、IIJの個人向けサービスのラインナップとして含めようとすると、ちょっと難しい部分はあるかと思います。フルMVNO版はデータ通信のみの提供となっており、単体でスマホ用として利用するにはちょっと難しい部分があります。
 ただし、今回のeSIMプランはフルMVNO基盤ですし、IoTサービスもフルMVNO基盤を利用しています。ライトMVNO版では提供しづらい部分を積極的にやっていきたいと考えていきます。個人向けとしてはeSIMやIoT向けとして提供していく形になるかと思います。他の個人向けサービス提供としては現時点では未定です。(堂前さん)

Q.FeliCa決済が便利で手放せないのですが、SIMロックフリー端末だとあまり選択肢がありません。他の皆さんはFeliCa決済は利用されていないのでしょうか。
A.MVNO利用者でFelicaおサイフケータイ)利用者はどれくらいいるか、手を挙げてもらっていいですか?(会場内は半分以上が挙手)結構いますね、割と普及しているみたいですよとお伝えしておきます。(堂前さん)

Q.mioひかりで最新のHGWに交換してもらうにはどうしたらいいですか。
A.IIJmioひかりのHGW交換についてはご相談くださいとしかお答えができない状態です。IIJmioひかりの回線部分はNTT東西さんから卸してもらって提供しています。HGW交換のご要望をいただいた場合、IIJからNTT東西さんに依頼をする形となっています。NTT東西さんからHGW交換対応するという返答をいただけない限りは対応することができません。まずはサポートセンターにご相談していただければと思います。(堂前さん)

Q.IPoEオプション無料キャンペーンを始められた理由は。
A.IPoE方式を普及させていきたいと思っていますが、IIJmioひかりを提供し始めたころはIPoE方式に非対応でサービスインした経緯もあり、IPoEは別オプションとなっています。今後は標準サービスに持っていきたいという思いはありますが、費用面等でいろいろと調整が必要な部分があるため、まずはキャンペーンで無料という形をとらせていただいています。(堂前さん)

A.緊急地震速報について、端末によってどのように鳴るのかや動作など、一覧で公開できませんか。
どの端末でどういう風に受信できるかですが、1端末確認するのに1時間くらいかかります。社内でもテストができる体制がちょっと厳しい状態で、不具合があるような場合は詳細に調査を行いますが、OSのアップデートがある度に確認するというのはちょっと難しいです。(堂前さん)

 

Q.eSIMでも緊急地震速報は受信できますか。
A.eSIMの場合の緊急地震速報についてはきちんと検証ができている訳ではないですが、eSIMもSIMカードでしかないので、在圏しているネットワークの状況で受信できるかどうか変わると思います。IIJのeSIMのネットワークはドコモさんのものを利用しているので、緊急地震速報の通知エリアであればドコモさんからの緊急地震速報を受信すると思います。ただ、ドコモさんのネットワーク圏内に在圏していない場合、他のキャリアの緊急地震速報を受信できるかどうかは今後検証が必要かと考えています。
eSIM、フルMVNO、端末と複数の要因が考えられることもあり基地局シミュレータなどで検証はしていますが、ETWSのメッセージIDの使い方をキャリアさん側で変える可能性もあるため、我々としても追いかけるのが大変というのもあります。(木野さん)

Q.DMM mobileさんが楽天モバイルさんに買収されますが、IIJさんのMVNEでは無くなってしまうのですか。
A.DMM mobileさんに関してはIIJが回線提供していますが、買収した楽天モバイルさんが今後検討されることになるかと思います。少なくとも現在IIJが発行しているSIMに関してはIIJのままとなります。楽天モバイルさんに急に切り替わることは原理上ありません。IIJが発行したSIMを利用している限りはIIJの通信設備を利用します。
 DMM mobileさんまたは楽天モバイルさんから解約の申し出がない限りは、サービスの提供は継続してIIJが行います。あとはそれぞれの事業者さんのご判断になると思います。(堂前さん)

Q.キャリア側が将来原価方式に反対していた理由は。
A.将来原価方式に関しては、キャリアさんの主張としては「手間がかかるので」とのことでしたが、最終的に総務省から「キャリア側の手間よりもMVNOの予見性のほうが大切だ」とのことで今回切り替わることになったと見えています。それ以上はキャリアと総務省のほうでどのようなやりとりがあったのかは見えていません。(佐々木さん)

Q.バリーくんのイラスト、どこかで公開していますか。
A.バリーくんは社内の運用ツールで使っているイラストなのですが、IIJの技術勉強会などで今後も出していこうと考えていますので、ご興味がある方は次回の勉強会にお越しください。(堂前さん)

【会場からの質問】
Q.eSIMもDSDSのような複数枚同時待ち受けは可能なのでしょうか。。
A.eSIMでもアクティブになっているプロファイルは1つなので、単純に1つの物理SIMが刺さっているのと同じような動作になります。(木野さん)

Q.eSIMの証明書に有効期限はあるのでしょうか。
A.有効期限はありますが、かなり長めに設定されています。少なくとも端末のライフサイクルよりも長いことがほとんどで、100年とか設定されているものもあります。(圓山さん)

Q.3月ごろに接続料の話でIIJさんが「想定外だった」とのコメントされていたかと思いますが、4割値下げの影響もあるのでしょうか。
A.接続料はドコモさんの4割値下げとは全く関係ない話で、IIJとしては例年よりも下がらなかったということに対してのコメントです。「例年通りならこの程度下がるだろう」という見込みが外れたというものです。(佐々木さん)

Q.IIJさんがフルMVNOとしてアップルから認定され、サービス提供される可能性はあるのでしょうか。
A.海外の事業者であるgigskyさんはアップルさん公認のMVNOとなっており、Apple SIMからも選択可能でキャリア構成プロファイルも提供されています。他にも聞いた話ではありますが、ヨーロッパのMVNO欧州委員会の力添えの元、アップルさんと交渉して認めさせたという話があります。総務省さんにも「日本でもできないですかね」と相談しにいったところ、無理と断られました。(佐々木さん)

Q.ファーウェイさんのP30シリーズをこの時期に販売開始されたのは、トランプ大統領の制裁緩和発言も影響があるのでしょうか。
A.直接的な連動はなく、最初は販売を見合わせていましたが、販売見合わせ中もいろいろと情報収集はしており、他のメーカーさんと比べてもリスクは同程度と判断しました。販売準備を進めている中で、トランプ大統領の制裁緩和発言と重なったというのが実情かと思います。この後もどのように推移するかは注視しています。(堂前さん)

#2019年8月5日発表情報として、auUQ mobileソフトバンク楽天モバイルでもP30シリーズ(各社取り扱う端末は異なります)を販売開始するとのこと。

Q.iOSAndroidWindowsとOS間にeSIM対応の温度差を感じますがどうでしょうか。
A.マイクロソフトさんはAlways Connected PCという考えが元からあったので、それが結実になった形だと思います。
 iOSAndroidはどうしてもハンドセット端末が基準になるので、アップルさんは自社のみで完結できるので決断は早かったと思いますが、Androidに関してはいろんなメーカーさんが絡むので、難しかったのではないかと思います。(木野さん)

Q.つながる端末保証を提供していると思われる、フォーニーズと匠ワランティアンドプロテクションの対応の遅さが気になるのですが。
A.ご不便をおかけして申し訳ありません。対応のところでなにかご不便をおかけした場合は、IIJのほうにお問い合わせいただければ、弊社経由で申し送り事項として情報共有や対応をさせていただきます。詳細まではちょっと現時点で分からない部分がありますので、IIJサポート窓口までご連絡いただければ、詳細を調査させていただきたいと思います。(堂前さん)

Q.eSIMで複数の同じ契約をした場合、区別はつくのでしょうか。
A.電話番号やプロファイルのICCIDで区別はできると思います。また、プロファイルにも名前を付けることができますので、そちらで区別するという手もあるかと思います。(圓山さん)

Q.eSIMプランはなぜ6GBでの提供なのでしょうか。
A.スマートフォンのデータ通信量が現在ですと平均5.7GBくらいとなっています。以前は3GBを下回る数値だったのですが、年々データ通信量が増えており、3GBだと足りないような状況でしたので、ライトスタートプランと同じ6GBとさせていただきました。(堂前さん)

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おまけ。
Maker Faire TokyoIIJさんが出展されるとのことだったので、夏コミ前の実地調査を兼ねて行ってきました。

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LoRaWAN水位センサ。実物を見るのはこれが初めて。
乾電池4本で1シーズン持つそうです。

稲刈りの時には水を抜いてしまうため、その時にはこのセンサも取り外します。

夏の田んぼ、日中は直射日光が当たるような場所ですが、回転部分がないので真夏でも動作には影響ないそうです。

ケース自体は防水なので、大雨や台風などでも問題ないとのこと。

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水位情報を取得するセンサ。

こちらは虫が詰まったりとか、色々と大変だったようです。

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稲の成長のためには田んぼの見回り、水の開け締めといった作業が発生します。
実際の水田ごとの移動を確認するため、農家の方にGPSトラッカーをつけてもらい確認したそうです。
(左上のスライドがそのトラッカーログとのこと)
#広大な田んぼ全てが自分の土地というわけではなく、意外と細切れみたいな形で存在します。
#実家でもそうなのですが、家の目の前の田んぼはもちろん実家所有の土地ですが、お隣の田んぼは他の方の土地というケースもあります。
#他にも、離農された方の土地で稲作を依頼されることもあり、そうすると管理圃場が更に細切れみたいな形になったりします。

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水位制御用マイコン
タブレットで水位情報を取得し、給水制御を遠隔操作で行えます。
#実際の制御用マイコンとは構成が一部異なり、展示用とのこと。

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全体の仕組みとしてはこんな感じ。

親機となる基地局は、電柱から商用電源で給電させる形。
エリア的には電柱のあるところから2~3キロくらい(※安定して通信できる距離)はカバーできるとのこと。
ただし、木の陰などで減衰しやすく通信ができなくなってしまうのだとか。

LoRaWANの通信はエリアが広いイメージがありましたが、無条件で問題がないわけではなく結構シビアなようです。

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無線でエフェクターを遠隔操作できるネットワークスタンパー。

eng-blog.iij.ad.jp

エフェクターから物理的に離れていても音色変化が可能。

通信は2.4GHzの無線LANを使用しているとのこと。

ただし、現地では無線APが多く混雑しており、またSSIDを公開状態だと無線APとみなされて接続要求が多発したため、SSIDをステルスにし、使用チャネルも変更することで動作させたとのことでした。

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会場内ではIIJさんが無線LAN(5GHzのみ)を提供していました。

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ヒートマップやトラフィックデータもリアルタイムで公開されていました。

意外と上りトラフィックが多かったようで、動画配信にも使われていたのかも(詳細は未確認)。

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IIJmio meeting、次回は10月予定。

次回は久しぶりに大阪会場にも参加したいところです。